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2023.01.11
つぶやき

両輪で「誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会」の実現をめざします

恐れることをやめて、心に決めたこと

2023年、わたし、中原美智子が代表を務める「株式会社ふたごじてんしゃ」と「特定非営利活動法人つなげる(以下、NPO法人つなげる)」の両輪で、いろんなことに取り組んでいきます。そう心に決めたことをお伝えしたいと思いました。というのも、これまでその2つを交わらせないように努めてきたからです。
 
理由をお話しするために、その2つの立ち上げ時から遡ってお話しますね。
 
わたしは2010年に第2・3子で双子を出産しました。2011年に双子を安心して乗せられる自転車がほしいと探したところ、なかったので「自分でつくるしかない」と思い立ち、リヤカーメーカーさんの協力を得て2014年に1台だけつくっていただいたんです。今度は同じように悩む双子や三つ子のママパパも使えるようにしたいと、個人で製品化をめざして活動し始め、2017年にOGK技研さんと協同で製品化をめざすことが決まり、2018年に念願の製品化を実現できました。
 
その過程の、2016年に「株式会社ふたごじてんしゃ」を立ち上げたんです。
 
株式会社という組織を選んだのは、製品化に向けてパートナーとなる企業に対して、「うちは慈善事業じゃないから」と断られないように…同じ言語で話せるようになりたかったからでした。当初から双子や三つ子を育てていく中で感じる疎外感や閉そく感、ゆえのひきこもりなどに真っ向から立ち向かうために立ち上げた会社であり、心だけではなく行動までも制限する移動問題を解決するため、ふたごじてんしゃをつくることに専念してきたんです。

 

 

製品化をめざす中で、たくさんの双子や三つ子のママパパと出会いました。育児の悩みや困り事…心の叫びを聞く中で、ふたごじてんしゃが完成した後は、心や日々の暮らしを支援していくことをしていきたいとの思いが膨らんでいったんです。
 
その模索を始めたところ、わたしがしたいことは株式会社では向かないものだと気づきました。
 
株式会社は営利企業のため、パートナーとなる企業から「そんな手厚いことはしていられない」「おしゃべりするだけで、どのような利益を生むのか?」といった意見を受けますし、利益を生む仕組みが求められます。また、ママパパからはふたごじてんしゃを売る目的の支援ではないかと不信感を持たれることが嫌でした。
 
そこで、株式会社ふたごじてんしゃとは別に、ママパパの悩みや困り事の支援にかかわる組織として、2018年にNPO法人つなげるを立ち上げたんです。

 

切り離してきた「ふたごじてんしゃ」と「つなげる」

 

 

 

双子や三つ子のママパパが直面する移動問題を解決する株式会社ふたごじてんしゃと、ママパパが直面する日々の悩みや困り事を支援するNPO法人つなげる。その両輪で「誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会を実現する」という目標をめざしていこうとしていたのに、最初にお話ししたように、これまではあまり一緒にしてこなかったんですね。
 
どうしてかと言うと、NPO法人つなげるを立ち上げる時に、これまで株式会社ふたごじてんしゃを応援してくださっていた方から「株式会社がNPO法人を立ち上げるなんてあやしい」というようなことを言われたからです。とてもショックな出来事でした。
 
どうしてそんなふうに思われてしまうんだろう…その時はわかりませんでした。あとでインターネットで調べると、過去の事件などから「NPO法人の中には、会計報告などあやしいとみられる団体がある」といった内容を目にしました。その方にはそのイメージがあったのでしょう。わたしは支援のために分ける必要性を感じたから立ち上げるのに、世間一般的には「あやしい」と誤解を受ける可能性があることを知りました。
 
そのような誤解を受ける可能性があるなら、せっかく思いを持ってかかわってくれる方たちにも迷惑をかけることになるかもしれない。自分だけではなく、かかわってくれる方がそう思われることが嫌だったので、誤解されないように極力、株式会社ふたごじてんしゃとNPO法人つなげるを交わらせないようにしてきたんです。
 
最近の出来事なのですが、NPO法人つなげるで実施しているピアサポーター養成講座を受講された方から、「中原さん、知っていますか?双子のお母さんで自転車を開発した人がいるんですって」と言われました。そうなることをめざしてきたので大成功なのかもしれないですが、わたしが「一緒にしてはならない」と徹底してきたことで、育児が大変でふたごじてんしゃに辿りついてくれた人たちに支援団体があることを伝えられず、必要な情報を届けられていないことがわかり、心が苦しくなることがありました。

 

 

 

 

たとえば、ふたごじてんしゃの試乗会では、「なんで、双子を産んじゃったんだろう」「双子の育児って大変。その大変さを共有できる人が身近にいなくてつらい」と泣いているママパパと出会います。この状況をどうにかしたくてNPO法人つなげるを立ち上げたのに、その時のわたしは株式会社ふたごじてんしゃの代表としてその場にいます。「つなげるがあるよ。こういうことをしているよ」と言えれば、もしかしたら救われる誰かがいるかもしれないのに、言い出せなかったんです。
 
一方で、NPO法人つなげるに集まってくれた方の中に自転車移動で悩んでいる人がいた時、ふたごじてんしゃを紹介することに抵抗感を持っていた時期がありました。売るためのコミュニティをつくっているのではないかとあやしまれるかもしれない、不信感を持たれてしまうかもしれないと恐れてしまいました。
 

両輪だからこそ、実現できることが広がる

 
結局、わたしがめざしてきたことは実現できていないのではないかと、一昨年末にようやく気づけたんです。そうなれた理由の一つに、NPO法人つなげるでは、理事で事務局長の大野さんが厳しい目で会計報告をしてくれているからです。何も疑われることをしていないことを証明できている安心感と心強さから、胸を張って両輪で取り組んでいってもいいのではないかと勇気を持てました。
 
きっと「株式会社とNPO法人を運営しているなんてあやしい」と言う人はこれからもいるでしょう。
 
しかし、わたしは誰に恥じることもなく、必要と思うこと、大事と思うことをしていくだけです。恐れることより、双子や三つ子のママパパが日々暮らしやすく、生きやすくなるように、株式会社ふたごじてんしゃとNPO法人つなげるの両輪で、すべきことをしていきます。
 
その最初の一歩として、こうして決意をお伝えすることにしました。

 

 

 

 

株式会社ふたごじてんしゃで取り組んでいること、NPO法人つなげるで取り組んでいること、それぞれ一つひとつを見ていくと、何のつながりもない、さまざまなことをしているように見えることもあるでしょう。それは一つひとつの出会いに真っ向から向き合い、どうしたら誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会を実現していけるのかを考える中で、「こうしたらどうか」「ああしたらどうか」と常に試行錯誤しているからです。
 
バラバラに見える一つひとつの根っこは同じ。ただ、その根っこが見えないことで、応援してくださるみなさんを「あれ?」「また違うことを始めたの?」と困惑させてしまったり、不審に思わせてしまったりすることがあったかもしれません。伝え切れていないわたしの反省です。
 
これからは、どういった思いや考えで、どんなことに取り組もうとしているのか、取り組んでいるのか、取り組んだことによってどうしていこうと考えているのかなど、お伝えしていきますね。

 

 

中原 美智子

株式会社ふたごじてんしゃ 代表取締役
NPO法人つなげる 代表理事

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